2026/03/20
広中平祐先生のご逝去の報に接して
広中平祐先生のご逝去の報に接し、心から哀悼の意を表します。
いうまでもなく、先生は日本人で3人しかいないフィールズ賞の2人目の受賞者です。
私が山口大学に着任した2000年に広中先生がちょうど学長でいらして、新人職員との懇談会をもってくださいました。私は恐れ多くも質問をさせて頂き、「先生はどうやってそのような研究にたどり着いたのですか?」とお聞きしました。そうしましたら先生は直接はお答えにならず、「僕はこの問題(特異点解消)が好きだったんだ、だからずっと考えていたんだ。」とお話ししてくださいました。この「好きだからずっと考え続けている」という恋愛のような感情がイノベーションの源泉だと思います。
今、日本の大学の現場は各種業務に追われ、研究の時間を失っています。好きなテーマを考え続けられる状況にはありません。私もそうでした。これを改善していくためには基盤経費の拡充が本当に重要だと思っています。先日の私のチャンネルでの対談において斉藤鉄夫顧問も自ら、このような考えを述べて頂きました。文部科学省も同じ考えをお持ちで、実際、R7年度補正予算、R8年度当初予算案(審議中)では増額していただいています。
しかしながら、今月4日の衆議院文科委員会での我が党の泉健太議員の質問で明らかになったように、財務省は「運営費交付金から競争的資金への更なるシフトにより、大学の創意工夫を促すべき」とのスタンスを全く変えていません。これでは日本の学術の現場はますます疲弊していくと考えます。
日本の国力の源泉はやはり、科学技術です。それが長らく、危機に瀕している。この状況を反転していくために働いて参ります。
ちなみに、広中先生が取り組んだ問題はジェットコースターのレールと影の関係に例えられます。レールを地面に映った陰でみると、交わった箇所(特異点)がいくつも見えると思います。でも、実際のレールは急降下や回転はしても、交わったりしていません。そんなことになっていたら、衝突事故も起きかねません。地面の2Dでみれば交わってみえる曲線を、3Dなどのより高次の空間にマッピングすることにより交わりを解消する、という問題を一般の次元で解決された事が、広中先生がフィールズ賞で評価されたご業績です。
政治においても、ある次元で物事を考えていると両者の利害がぶつかり合うが、それをより高い次元で考えることによって衝突を解消する。ある意味「昇華」ともよべるこの考えこそが中道の目指す政治であり、私もそれを粘り強く実行して参ります。
長文大変失礼致しましたが、広中先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
